ショートショートは中学、高校の時によく読んでいた。主に星新一や眉村卓の作品だ。最近はほとんど読んでいないが、毎年のように出るこのシリーズは必ず買っている。
このシリーズは、雑誌へ投稿されたショートショートの傑作集だ。素人の作品をプロの作家が評価している。本の最後に選評が載っている。シリーズ9までは星新一が評者だったが、シリーズ10の途中から阿刀田高が引き継いだ。
面白いのは評者によって選ばれる作品の傾向だ。もちろん、ショートショートなので、物語の意外性はどちらも重要視している。その上で、星新一は、洗練された表現を要求し、また自分の書けないような作品を好んだ。一方、阿刀田高は、オチと作品の長さの関係を見、また自身の作品と同様、ブラックユーモアを好んでいるようだ。
そういう視点で読んでみると、この作品は星新一だったら選ばなかったかも、なんてのがあったりして面白い。もっといろんな評者を起用してみたらもっと面白いんじゃなかろうか。眉村卓とか筒井康隆とか。落語家や4コマ漫画家に選ばせてみるのも一興かもしれない。