あることにまつわる5連作なんだけど、ちょっとだけ各作品がつながっていて（4つ目は思いっきりつながっているけど）面白い。そういう遊び心が感じられる作品って、最近読んだことなかったなぁ。
各作品とも、一人暮らしの人が主人公で、一人称で書かれている。これまでの森作品にはなかったパターンだ。一人暮らしのわびしさが思いっきりでてる。森さんって、一人暮らしの経験があったっけ？日記を読む限りはそんな様子はなかったけど。数多くの大学生と接しているから、ある程度想像できるのかな。
ビジュアル系ロック（？）グループの名前には爆笑。思いっきりツボに入った。某グループの母音を変えて単語を並び替えただけなのに。こういうセンスもあったのね。
最初の作品が、とっても詩的なのが印象的。帯の謳い文句は非常に的を射ているな。ミステリィではないとは思うんだけれど。どちらかというと、眉村卓の短編SFに近いような。