考えてみれば、T-SQUARE の本はこれが初めて。すでにファンクラブや音楽雑誌などでいろいろインタビューを読んできたが、ここに書かれているのはそれよりももっと裏話が多い。特に、グループの成り立ちや、新メンバーのオーディションの話など、これまでメンバーの口から語られたことが少なかっただけに、とても面白く読めた。須藤さん、オーディションの日も遅刻してきたとは…。
プロデューサーの伊藤八十八さんや青木幹夫さんのインタビューでは、SQUARE をどうプロデュースしてきたかが語られていて、その戦略や意図を理解することができた。SQUARE はメンバーだけでなく、こういう人たちのおかげでメジャーになっていったんだと実感した。アメリカ進出作戦はうまくいかなかったことが正直に吐露されていて、逆に好感が持てた。
まんなかのあたりで、リットーミュージックの雑誌のインタビュー記事がセレクトされて転載されている。最初は水増しのためなのかといぶかったが、実際に読んでみるとそうではないことが分かる。各レコードの話も多いが、そのときそのときの各メンバーの気持ちの変化が読み取れて面白い。ただ、転載元の雑誌がギターやドラムなど楽器の雑誌なので、楽器の話は専門的過ぎてついていけなかった。