ビザンティラ、を結局最後までうまく発音できなかった。もちろん声に出さず黙読しているだけだけだから、頭の中での話。最初はビザンディラ、次にビサンディラ、最後にビサンティラになってしまった。時々矯正を試みたものの、あえなく失敗。作中で何度もほめられていた名前（きっと著者も気に入っていただろう）だけに、きちんと発音できずに申し訳ない。
ところで、この本は通勤電車で主に読んでいたんだけれど、少女向けの作品のため途中のイラストのページを開くのがとても恥ずかしかった。なんとかブックカバーで隠してはいたが……。まあ、通勤電車で読むのが間違いだったか。
この頃の菅作品は神を扱っているものが多い。それでつい考えてしまうのは、宗教だ。そういう意味では、実はとても危うい話題を扱っているのではないだろうか。多くの場合、正しい道があるものとして話が進む。しかし、実際の人間はどの道が本当に正しいか判断するのは難しいし、正しいものがあるかどうかも分からない。そんなときに、この道に進めと言われたら、かならずそれに反発する人たちが出てくるだろうし、それが健全であるように思う。少年少女向けの小説にそこまで書き込んでしまうのは難しいだろうが、なんとかそういったことに触れた大人向けの作品も作って欲しい気がする。