零時館
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迷宮百年の睡魔
(LABYRINTH IN ARM OF MORPHEUS)

森博嗣 著
新潮社、1900円、ISBN4-10-461001-1、2003年

『女王の百年密室』の続編だが、前作が完結したと思っていただけに、どのような続編になるのかとても心配だった。しかしそれは完全に杞憂だった。前作以上に完璧な作品に仕上がっているように感じた。森作品を読むと、その斬新さに感心しつつも、どこか細かいところで不満が残ることが多かった。今回はそれを全く感じなかった。

SF (あるいはファンタジー)の世界なので、トリックはどうにでもなりがちだ。数学的に言うと、3点で決定される球はいくつもあるし、いくらでも大きくできる。しかし、この作品では、提示された条件から考えうるもっともスマートな解を提示している。3点で決定される球のうち、もっとも半径の小さい球が描かれているようなものだ。

結末を見ると、まだ続編がありそうな予感。

(2003/07/15 読了)

E-mail : reijikan-kanshu@hotmail.co.jp
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