久々に読んだクリスティー作品。このペースじゃいつ全作品読み終わるか分からない。
この作品は、すでに何度かテレビで見てしまっているので、ほぼ内容を覚えていた。しかし、それでも、犯人の間違えてしまった。まったく、大バカ者である。
この時期のポアロ物は、同行したヘイスティングス大尉が執筆している形を取っている。まさしくワトソン役。このあたりはホームズ物を継承している。しかし、内容はホームズ物のアンチテーゼとなっている。ホームズが細かい物証を重要視しているのに対し、ポアロは人の証言・表情・心情を重要視している。（ちなみに、森作品はさらにポアロ物のアンチテーゼになっているように思う。）ホームズの継承者の悪い例としてポアロのライバルが描かれおり、よりそれを鮮明に打ち出している。
些細なことだが、意外なところで日本人が話にでてくる。原作が書かれたのが、1923年。まだ大正の時代だ。この時期にイギリスに日本人が入り込んでいたのは驚きだった。