日本の探偵とアメリカの探偵はぜんぜん違う．私の理解が間違っていなければ，日本ではライセンスが要らないが，刑事事件に関わることはほとんどない．アメリカでは刑事事件に関わるが，ライセンスが必要となる．
そのせいか，日本では探偵を専業にしている人を扱った作品は少ない．他に専門の職を持っていて，事件に出くわした時に探偵みたいなことをすることが多い．
それに比べて，アメリカは専業探偵の作品が多い．実際にこのアンソロジーを読むと，こんなにも多いのかと驚いてしまう．やはり制度が違うことが大きい．また，謎解きに主眼がなく，探偵の生き方を描くハードボイルド系が多い．これは男性だけでなく，女性探偵でも同様．
もともと，サラ・パレツキーの V.I. ウォーショースキー（ヴィク）が目当てで買っていたので，ハードボイルドには抵抗がなかった．しかし，こんなにも多いと，なんだかヴィクが埋もれてしまっている感じになってしまった．しかも最初に登場しているので，なおさら印象が薄い．ヴィクをもっと他の人にも周知してほしいと思っている私としては，ちょっと残念．