まさに現在の 2 時間ドラマの先祖とも言えるような作品。もちろん当時としてはなかなか見られないタイプの作品だったのだろうと思う。 逆にいうと、このタイプにずっと縛られたままの 2 時間ドラマは進化していないということか。
劇だと時間的制約が出てくるせいか、この作品ではポアロの個性があまり表現されていない。通常の作品だとポアロのうぬぼれやさんなところやいやみっぽいところが表現されているのだが、この作品ではほとんど出てこない。そのぶんやや面白みにかける気がする。
それでも、全体の印象はとてもいい。短かいながらも、クリスティー独特のガジェットが詰まっていて、しかもそれらがうまくまとまっているせいだろう。