森ファンなら気がつくであろう、それ、に気がついたとき、おもわず「アホか」とつぶやいてしまった。作者の森さんに対して、だ。ちょっとやりすぎじゃない？森さん。（なんていちゃもんつけてしまう私のなんと傲慢なことか） まあ、今にして思えば、それを匂わせる言動があったわけだけど、それにしてもまさかそうなるとは思わなかった。
さて、それ、はこの本の主題ではないので、横に置くとして、本書はこのシリーズ最終章にしてもっとも難解な作品に仕上がっている。なんといっても時系列がばらばら。これは真賀田四季の記憶が色あせず、いつでもリアルに思い出すことができ、そういう意味で時空を超越している、ということを強調している。そういう説明があるから、なんとか頭に入るが、それでも混乱する。
ところで、四季と凡人との意見の食い違いは、言葉の違いが大きいようだ（もちろん思考の違いも大きいようだが）。一般的に言葉はその意味が定義されていない。だから、ひとそれぞれその言葉の意味が少しずつ違う。それが四季の場合は大きく違う。あるいは大きく違う定義をする。それが問題をややこしくしているように思う。しかしこれはある意味、議論の本質でもあるように思う。