いつもながら、ヴィクの活躍にはため息が出るほどうらやましさを感じる。どうしてこんなに積極的に動けるんだろう。年のことを気にして、最近だんだんと自重しつつあるものの、やはりヴィクはヴィク。ここぞという行動力はすごい。
拘置所に入れられる前後のくだりは、かなり精神的にきつい。敵にまわしたのがセキュリティーの会社で、（その技術を悪用して）盗聴はされるは、罠をしかけられるはで、精神が休まることがない。その罠にかかって、拘置所に入れられた後もトラブルばかり。挙句の果てには……。タイトルもハードタイムとなっているから、これがこの本の主題なんだろう。
それでも救いなのは、やはりヴィクの仲間だ。仲間に支えられて息を吹き返していく様子が読んでいてとても救われる。こうした仲間に支えられるのは、ひとえにヴィクの人徳によるもの。私も出来れば物語の中に入って、助けてあげたい。
今回、新たな恋人（？）が登場するが、さてはていつまで続くやら。ヴィクの性格に合う人はいるんだろうか。