うーん、どう評価して良いのか。まだまだ隠された物事が多くて、今後への期待は大きいけど、この作品単独でどうかというと、首を傾げてしまう。
一応、この作品の探偵役が最後に推理を述べているけど、今ひとつ納得できず。そもそも密室とは言うけれど、あまり密室に思えなかった。だから、どうにでも解決のしようがあるように思えた。『笑わない数学者』的に言うと「不定だ」という感じ。それを狙ったのかな。現に、探偵役はこれは一つの可能性に過ぎないと言っているし、終盤からエピローグに続く流れ（あるいは表紙に引用されている文章）を見ていると、特にこれが真相だと主張しているふうでもない。そういう性質の作品だったのかもしれない。