瀬名さんの作品を読んだのはこれが最初。他にも評価の高い作品があるが、とくに興味を惹かれなかった。この作品は博物館を題材にしていることで興味を持った。単行本では同時期に刊行された菅浩江さんの『博物館惑星』が素晴らしかった影響も少なからずある。
いろんなネタや仕掛けがあって、それらが絡み合って渾然一体となっている。それゆえにこの作品の魅力を一言で説明白といわれても出来ない。それでいて、タイトル『八月の博物館』がこの作品を見事に象徴していて、言葉選びのうまさに感嘆した。
それにしても、なんだか博物館に行きたくなってしまった。