子供は無邪気だ、と思う。無邪気なだけに、悪いことをしても罪の意識がない。だから、それを叱ってやらなければならない。
この本のタイトルは、それを考えると、なんだかな、と思う。しかし、読んでみると、決して相反する考え方ではないことが分かる。子供が大きくなるまでに悪さをしないようにする（要するにしつけをする）のは親の役目、というのが共通しているように思う。しつけが出来ていない子供は、子供が悪いんじゃない、親が悪いんだ、ということだ。
普段、育児関係の本なんかてんで読まないくせに、なんでこんなタイトルの本を買ったかと言うと、やっぱり著者が「おかあさんといっしょ」の「体操のお兄さん」だったから。この春に「卒業」したのをきっかけに、その経験を生かして、タレント活動から子供のたいそう教育まで幅広く手がけようとしている。この本もその一環と言える。
じつは、決して、育児の本ではない。「体操のお兄さん」になったいきさつや、自分の子供の頃のこと、家族のこと、「おかあさんといっしょ」のときのこと、などが語られている。その中ではしばしに育児論、教育論が出てくる。なんといっても 12 年間ほとんど毎日違う子供たちと接してきた経験が、非常に説得力をもつ。普段はこの手の本はハスに構えて読んでしまうが、この本は結構素直に読んでしまった。