こういう小説を書ける人、なんだか尊敬しちゃうなぁ。自身が科学者であるにもかかわらず、こういうブッ飛んだ SF が書けるというのは、実はすごいことなんじゃないかと。実は私は時々、自分が SF を書くとしたらどんな話にするかな、ということを考えたりすることがあるんだけど、どうしても無意識に科学的厳密さを考えてしまって、とても面白そうな話にはならない。やっぱり文学的才能がモノを言うんでしょうかね。
文章がとても特徴的で、読みにくい。読みはじめた時は訳が悪いんだろうと思っていたけど、そうじゃないことがだんだん読み進めていくうちに分かってきた。もともとがハチャメチャな文章だった感じだ。意識的にこういう文章にしているようで、だから逆にそれが味になっている。
サイバーパンクというジャンルが確立されていたことをここの解説で初めて知った。言葉自体はよく聞いていた（『銃夢』なんかで）が、1 つのジャンルにまでなっているとは気がつかなかった。サイバーパンクって、みんなこんな文体なんだろうか。それともルーディ・ラッカー独自の文体なんだろうか。