地球深部探査船「ちきゅう」が何を目的に作られたかがよく分かる本。「地球の内部」と銘打たれているものの、ほとんどモホ面直下までの話なので、それ以上深いところの話を期待するとやや拍子抜けするかも。そういう意味では、タイトルはもうちょっと工夫が欲しかった。
そうはいうものの、内容はとても面白い。実を言うと、これまで、たかだか地殻程度を掘って何が分かるんだろう、と漠然と思っていた。そういう疑問に対してきちんと答えを示してくれている。そして、この「ちきゅう」の目標の一つであるマントルに達することの大変さもうかがい知ることができた。また、このプロジェクトが日本主導で行う数少ない巨大国際プロジェクトであり、その運用自体が日本の研究者にとってとてもチャレンジングなんだということも分かった。
私も何らかの形でこの「ちきゅう」に貢献できたら、と思う。