プラネタリウムの投影機って、どんな仕組みになっているんだろう、と前々から気にはなっていた。この作品でようやくそれを知った。そうか、投影機の中に小宇宙があるのか。
しかも、この作品にでてくる投影機はカール・ツァイスのもの。デジタル・カメラのレンズのメーカーとしてよく名前を聞くところだ。もともとどんな会社なのかよく知らないけれど、こういうつながりがあるとは知らなかった。
投影機は、基本的に場所と時間を指定すればほぼその時点での星空を再現できる。つまり、投影機は、時空を越えることができる。それを核にして、SF が展開される。面白いアイデア。その上に、温かみのあるストーリーが展開されて心地よい。ストーリーだけ見ると、菅浩江さんの作品にも近いような気がする。