強震動というのは、強い地震動（揺れ）のこと。家屋や橋などといった構造物を壊す直接の原因になるため、とてもよく研究されているが、特に最近その進歩がめざましい（と思っているんだけど、昔のことを知らないからそう思っているだけかも）。その割には、一般向けの本はなかなかない。この本はその数少ない一つとなっている。
しかし、一般向け、とはいっても、結構内容は高度で、高校生レベルで理解できるかどうか。実際には、例えば防災に携わっている人とか、大学生・大学院生でこれから強震動に取り組んでみたいと思っている人とか、あるいは地震学をやっているけれど強震動はまったく門外漢、という人とか、そういう人たちに対象が限定されてしまいそうな気がする（これも異見多数かも）。それでもやはり意義のある本であることは間違いないと思う。