最初に TV ドラマをみて、それから本を読んだ。
TV の方は、どうもネットでは評判が悪かったけれど、私は結構好意的だった。本を読んでみても、その評価はあまり変わらなかった。むしろ、TV の方が森さんらしさが良く出ていたのではないかと思えるぐらい。
そう思った理由は 2 つある。1 つはキャラクターの特異さが TV の方が目立っていたこと。本の方がちょっとおとなしかったように思えた。もう １ つは TV の方がアンチ・ミステリー色が強かったこと。TV を観たとき、なるほど森さんらしい、と思っていたけれど、実は本の方ではそれがなくて、ちょっと肩透かしを食らった気がした。
念のために断っておくと、本のほうがだめ、という訳ではない。やはり最後のクライマックスは TV よりもこちらの方がすごかった。TV でも是非再現してほしかったけど、さすがに予算的、時間的に難しかったと思う。せめて映画化するぐらいの気負いがないと、再現は出来ないんじゃないだろうか。
そして、どちらにもいえることだけれど、殺人事件を起こさなかったことは、もっと言及されても良かったんじゃないかなぁ。そういう意味では、ジュブナイルに近い内容だったかもしれない。TV で「夏の冒険ミステリー」と銘打っているので、はじめからジュブナイル的にすることを前提にしていたのかもしれない。