零時館
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まんがキッチン

福田里香 著
アスペクト、1680円、ISBN978-4-7572-1310-4、2007 年

 基本的に少女マンガがネタになっているけれど、私はそれほど少女マンガは読んでいない。ただ坂田靖子さんだけは別。この本も坂田さんの作品がネタになっているから買った。

 買う前は、作品の中の食べ物を実際に作ったのかな、と想像した。しかし、実際には、作品をイメージした食べ物を作っている。それでも、そのまま作品の中に出てくるのではないかと思えるぐらい作品との親和性が高い。これは、なかなかできることではないだろう。それぞれの作品に愛着があり、かつ、料理のレパートリーが広く、オリジナル作品を作る能力がないとなかなかできないのではないか。

 文章を読んでいても、漫画に対する愛情の深さが良く分かる。ちょっと分析がちなところもあるけれど、マンガ評論と思ってみればそれほど不満でもない。

 しかし、こんなことができるのはやはり少女マンガだから、だろうか。少年マンガや青年、大人向けマンガではどうだろうか。

(2007/06/18 読了)

E-mail : reijikan-kanshu@hotmail.co.jp
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