9.11 がアメリカに与えた影響が大きいことはよく知っている。しかし、それは報道での話。この作品は 9.11 後のアメリカの社会を、ある事件を通して描いている。フィクションではあるけれども、それでも現実を窺い知ることができる。おそらく、そして、それは報道やノンフィクションでは描ききれないことだろう。
私はいわゆる社会派ミステリーというのはあまり好みではないのだけれど、サラ・パレツキーの作品は別。主人公ヴィクが愛すべき人だからかもしれない。
サラ・パレツキーの作品で面白いのは、日本車が良く出てくること。初期のころはホンダばかり出ていた（と思う）けれど、最近は他のクルマも良く出てくる。日本車がアメリカに受け入れられてきている様子が良く分かる。