これまでにない、森さんの作品。他の人の作品といっても良い感じ。まず、主人公が高校生というのが珍しい。そのせいか、作品に漂う雰囲気もいつもと違うように感じる。
ところで、この作品、ある殺人の場面の展開が、あるアガサ・クリスティの有名な作品を連想させるものだった。ミステリー好きの悲しさか、その有名作品の呪縛から逃れられずに、犯人も同じような設定になっているのでは、と思ってしまった。結局、犯人は違っていた。森さんはそれを狙っていたのか、いなかったのか……。