零時館
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小川一水 著
ハヤカワ文庫
さらに一転して、冒険活劇（という言い方がいいのかな、ちょっと語彙不足で適当な表現が出てこない）。このシリーズでいろんな作風で攻めている。飽きさせない。これは筒井康隆の『家族八景』シリーズを思い出す。あれは純文学、SF、ミステリーと書き分けていた。
さて、過去 2 巻と共通の家系が出てきて、だいぶ筋が見えてきた感じ。タイトルを「天冥の標」とした意図もなんとなく分かってきた（まだまだなのかもしれないけれど)。
まだしばらく 1 巻に向けての過去のエピソードが続くのかな。1 巻は、言ってみれば、「終わり（＝クライマックス）の始まり」で 2 巻以降はそれに向けての進んでいる、という構成ではないかと想像（そうじゃない可能性も大きいが）。短編小説では良くある手法だけれど、超長編でこういうのは珍しいのでは。
(2010/10/26 読了)
E-mail : reijikan-kanshu@hotmail.co.jp
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