零時館


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青い星まで飛んでいけ

小川一水 著
ハヤカワ文庫


小川一水さんの短編では、快活な女性がよく出てくる。私にとってはそれが魅力の一つ。しかし、単に快活なだけではなく、どこかせつなさがある。菅浩江さんほどではないにしても、それが深みになっている気がする。

印象に残るのは「グラスハートが割れないように」と「占職術師(ヴォケイジョロニスト)の希望」。どちらも現代(か近未来)が舞台。「グラスハートが割れないように」は最近の疑似科学を反映している。しかしありきたりな収束ではないところがやはり面白い。

驚いたのは「占職術師の希望」で、小川さんのものとしては、これまであまり読んだことのない傾向の作品。半村良さんとか眉村卓さんとか、その辺りを連想するけれど、具体的な作品が出てこない。

(2011/05/20 読了)


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