これも『地球ダイナミクスとトモグラフィー』と同様、学術書なんだけど教科書ではなく、読み物として読める本。レオロジーといえばマントル、と思っていた私は、深発地震・核のダイナミクス・惑星科学まで触れられていたのに、とても驚いた。
しかも、どれも原著論文から著者独自の考えでまとめられている。どこかの教科書の受け売りのようなところが見られない。その知識量の多さはハンパではないし、常に新しい知識を仕入れていることがうかがえる（実際、引用されている文献は刊行年の前年のものがとても多い）。論文を読む量は並大抵ではないだろう。
しかも、その知識量の多さが、著者の研究の動機付けをしていることがよく分かる。いろいろ読んでみて疑問に思った点を研究で追求している感じだ。また、いろんな分野の論文を読んでいるせいか、発想がとても柔軟なように感じた。
そんな著者の研究姿勢に触発されてそうな勢いだが、しかし、私の能力でいったいどこまでできるだろうか。