80年前の日本の震災の様子は、現在の中東の震災の様子に似ていた。ほとんどの建物は耐震設計されておらず、がらがらと崩れ落ちていた。鉄筋もほとんど見られない。阪神大震災ではその点が大きく違っているように思えた。
火災における悲惨さは、『関東大震災（新装版）』（吉村昭著）の描写を裏打ちするのに十分だった。おそらく編者はまだそれほどひどくはない写真を掲載したものと思われる。あまり接近して写した写真はなかった。しかし、それでも十分だった。
写真だけではなく、いくつかの文章も掲載されている（その内容に沿って写真が配置されている）。そのなかで、都市計画について触れていたのが興味深かった。当時の内務相がかなり大胆な改造を行おうとしたが、それが実現せずに終わった、という話はすでに聞いたことがある。しかし、すべてがすべて実現できなかったわけではなく、都市部の改造についてはかなり実現したようだ。それが戦災を超えて現在まで生き残っているという。もう少し、このあたりについては勉強してみたい。