多くの人が自由を望んでいるけれど、そのために行動している人は少ない。森さんは、どうやって自由を獲得するか、それを考え、実践してきた人だ。私はすでに森さんの日記やエッセイなどでその考え方に触れていたので、特に目新しさはなかったけれど、それでも、ぜひ他の人（特に大学や、融通の効かない組織の人）には読んでほしいとおもった。
ところで、こういう人を、実は生活者と呼ぶのではないだろうか。『「生活者」とはだれか 自律的市民像の系譜』を読んで私の理解したところでは、生活者というのは様々な使われ方をしているけれど、共通しているのは、周りにながされずに自分の価値観に基づいて生活を築く人のことを示していることだった。そういう意味ではまさしく森さんは生活者だと思う。政治家のいう生活者とは全く違うとは思うのだけれど。
自由を得ようとすると、どうしても苦労が付き纏う。ある意味、道なき道、あるいは茨の道、を行くようなものだからだ。だから、それに打ち勝つ力が必要だ。意思、動機、行動、発想、関連する実力、そういったものがないと、自由を得るのは難しい。私はそれをコミックの『銃夢』で学んだ。そして、社会にいる今も実際にそうだと思っている。私も少しでも自由を得ようと模索する日々が続いている。