「待望！初の詩集」と帯の惹句にあるが、『アイソパラメトリック』や『悪戯王子と猫の物語』を一種の詩集だと思っていたので、とても違和感があった。実際、内容はこれらの延長上にあると思う。
出版予告では『MATEKI』とローマ字表記だけあったので、てっきり『魔笛』だと思っていた。『魔的』とは意表をつかれた。
森さんの詩は、心象風景を詠んでいるものが多い。それだけに、数少ない叙景詩が印象に残る。
それから、心象風景を詠んでいる詩は、いくつかのカテゴリーに分けられるようだ。それぞれのカテゴリーの詩はつながりを持っているようにも感じる。うまくカテゴリーわけをするのは難しいが、読んだ人はなんとなく分かってくれるんじゃないだろうか。