ひさびさに痛快な SF 冒険劇を読んだ気がする。気分がすっきりするね、こういう作品を読んだ後は。
音楽と SF 。SF に限らず、小説の中で音楽を扱うのはなかなかない。先日読んだ『SFバカ本 宇宙チャーハン篇』の「メロディー・フィアー」があるが、他に思い浮かぶのはあと 2 つか 3 つだ。そのうちの 1 つが、菅さんの近作『永遠の森 博物館惑星』の中の 1 編だ。考えてみると、『歌の降る惑星』が『永遠の森 博物館惑星』のベースになっているようにも感じる。登場人物は全く違うが舞台設定は似ている。
それにしても、このシリーズ、キャラクター設定が思いっきり少女向け。スニーカー文庫だから当たり前なんだけど、『末枯れの花守り』が意外と一般向けの作品に仕上がっていたので、これもそうかな、と勝手に期待していた。
一方で、少女向けのわりには、使われている SF 用語がハード。いや用語だけでなく舞台設定もハード。これなら一般の SF ファンにも受けがいいだろうな。
最後に揚げ足取り。「マーブル模様の大理石」（P68）って、おいおい。マーブルは大理石のことだから、「大理石模様の大理石」になってまうがね。